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Vaccinate MIYAZAKI initiative

すべての人にワクチンの恩恵を

Vaccinate MIYAZAKI initiative

すべての人にワクチンの恩恵を

エルヴィスとポリオ

ポリオワクチン

エルヴィス・プレスリーは、エド・サリヴァン・ショーに3回出演しています。

エド・サリヴァン・ショーとはアメリカCBS放送の有名なバラエティ番組です。

2回目の出演は1956年10月28日でした。

 

このとき、エルヴィスは放送前のリハーサルの合間に、報道陣の前でポリオワクチンの接種を受けました。

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写真中央がエルヴィス、左はDr. Harold Fuerst、右はDr. Leona Baumgartner(当時のニューヨーク市衛生局長)

 

ポリオワクチンは1952年、ジョナス・ソーク博士が開発しました。

大規模な治験の後、効果が認められ1955年認可されていましたが、1956年でのポリオワクチン接種率はわずか0.6%でした。

 

エルヴィスの「公開ワクチン接種」は、翌日のNew York Timesでも、“Singer Sets An Example For Teen-Agers”という見出しで掲載され、大きな話題になりました。

6か月後、ポリオワクチンの接種率は80%を超えました。

予防接種の歴史でこれほどインパクトのある出来事はありません。

 

エルヴィスは翌年1月6日にもエド・サリヴァン・ショーに出演しました。

3回目でこれが最後でした。

この日、彼のパフォーマンスは上半身だけのアングルで放送されました。

同じ日に彼はポリオ患者の女の子と写真を撮っています。

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女の子の名前はJoanne Kelly。

撮影から約50年後に当時のことについてインタビューを受けていますが、「自分は(エルヴィス)のファンではなかった」と答えています。

 

エルヴィスは熱心に「March of Dimes」運動を応援していました。

「March of Dimes」は当時ポリオ患者の支援やポリオ根絶のための活動をしていた団体です。運動の目的は変わりましたが、現在でも活動を続けています。

 

ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンについて はじめに3

HPVワクチン

海外での実績、効果と安全性

海外では2006年に初めて承認されてから確実に使用実績が蓄積してきています。海外という表現は漠然としていますが、イギリスやフランスといったヨーロッパ諸国とアメリカ、カナダ、オーストラリアなどがいち早くこのワクチンを始めています。

このワクチンの導入が早かった国では、HPV感染の減少は言うまでもなく、理論上の効果であった子宮頸癌の減少が、実際の効果として徐々に確認されてきています。

はじめは女性のみが接種の対象でしたが、先進的な国では男性へも適応を拡げている状況です。

もちろんそれらの国でも、ワクチン接種に伴う副反応について慎重な調査と検討が絶えず行われていますが、このワクチンがほかのワクチンに比べて安全性で劣るといった事実はありません。

このワクチンは、ほとんどの国で効果が科学的に認められており、一般市民にも安全で有効なワクチンとして受け入れられています。

わが国での経過、現状

現在、国内で承認されているHPVワクチンはふたつあります。ひとつ(サーバリックス、GSK社)が2009年に、続いてもうひとつ(ガーダシル、MSD社)が2011年に承認されました。(海外では9種類のHPVに対応した「ガーダシル9」が発売されていますが、国内では未承認です)

2013年4月には定期接種のワクチンのひとつに定められ、小学6年生から高校1年生に相当する女性が接種の対象になりました。

定期接種になる前から接種費用の補助などもあったので、接種率は約65%に達していました。

ところがこのワクチン接種後に有害事象が相次いで報告されたため、同年6月、このワクチンについては「積極的な勧奨の差し控え」という措置がとられました。

ワクチン接種と有害事象との間に因果関係は証明されていませんが、有害事象について集められた情報を十分に分析・評価する間の暫定的な措置です。

この「積極的な勧奨の差し控え」によって、接種率は1%未満にまで低下しました。現在に至るまで接種率の回復はなく、ほとんどの対象者が接種していない状況です。

HPVワクチンに対する個人的な考え

HPVワクチンは、理論的にも臨床的にもHPV感染を予防するうえで有効なワクチンと考えます。HPV感染の減少が将来的な子宮頸癌の減少につながると理解しています。

他のワクチンに比べても安全性で劣るものではなく、ワクチンによる利益がはるかに大きいと判断しています。

日本で接種率が1%未満に低下している現状は大変残念です。子宮頸癌はワクチンによって減らすことができる癌になりました。ワクチン接種の機会を逃した方々が、子宮頸癌に罹患するリスクを持ったまま放置されることはあってはならないと思います。

一般市民の間でHPVワクチンの理解がひろがり、ワクチン接種により子宮頸癌を含むHPV関連疾患が減少することを願っています。

 

最後まで読んでいただいてありがとうございます。

ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンについて はじめに」は3章でひとまず終わりです。

次回からは、個々の事柄についてもう少し詳しく説明します。

ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンについて はじめに2

HPVワクチン

子宮癌検診との関係

「ワクチンを接種しなくても検診を受けていれば子宮頸癌にはならない。だからワクチンは必要ない」と主張される方がいますが、これは正しくありません。検診は子宮頸癌の前の段階(前癌病変)以降の変化を見つける検査です。検診による子宮頸癌予防というのは、子宮頸癌になるリスクが実際に生じた人を見つけ、早い段階で治療することによって癌になることを防ぐという方法です。

検診で異常が発見されてからすぐに行われる治療は、実際に癌になってしまってから行われるものほど複雑ではありません。しかし、それが体へ及ぼす影響を無視できるわけでもありません。前癌病変であっても、起こらないに越したことはないのです。

また検診がすべての病変を漏らさず検出するわけでもありません。

検診は子宮頸癌を減らす重要な手段ですが、ワクチンの役割を完全に補うものではありません。

子宮癌検診もHPVワクチンも、どちらかひとつだけで完全に癌を予防できる手段ではありません。HPVワクチンと検診の両方を使うことによって、より効果的に子宮頸癌を少なくすることができます。

 

HPVと子宮頸癌、ワクチンの限界

HPVワクチンは、子宮頸癌の発生を抑制するワクチンですが、このワクチン接種ですべての子宮頸癌がなくなるのではありません。

その理由を理解するためには、HPVと子宮頸癌の関係を知る必要があります。

これについては、また別の機会で説明します。

 

最後まで読んでいただいてありがとうございます。

次回はHPVワクチンの海外での実績、効果と安全性などについてまとめます。

ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンについて はじめに1

HPVワクチン

ヒトパピローマウイルスワクチン(HPVワクチン)について はじめに」は3章あります。

これからこのワクチンについて説明する記事のおおまかな内容です。

 

ヒトパピローマウイルスワクチン

現在(2017年1月)わが国において、複雑な状況に置かれているワクチンがあります。それはヒトパピローマウイルスワクチン(HPVワクチン)です。

このワクチンについては、「恐ろしい」という印象が流布してしまい、ワクチンそのものについては正確に知られていないのが現状ではないでしょうか。

このワクチンを正しく知り、必要性を理解してもらえるようにと思ってまとめてみました。

 

ワクチンの呼び方について

専門家を対象にした記事などを除いて、一般的な報道では「子宮頸がんワクチン」あるいは「子宮頸がん予防ワクチン」と呼ばれることが多いと思います。

このワクチンの最終的な目的のひとつは「子宮頸癌」の発生を抑制することなので、この名称でも間違いではありませんが、実際のはたらきはHPVの感染を予防することです。ここではこのワクチンを「HPVワクチン」と呼びます。

「子宮頸がんワクチン」、「子宮頸がん予防ワクチン」などのように、ワクチンの名称の中に「子宮頸がん」といった表記があると、それだけでなにか怖いものという印象を植え付けてしまうかもしれないということも心配しています。

いまではHPVが原因となる癌は子宮頸癌だけではないこともわかっているので、「子宮頸がんワクチン」というより「HPV関連癌予防ワクチン」と呼ばれるべきです。

さらにHPV感染は、癌以外にも皮膚や粘膜の「いぼ」などの病気にも関連しているので、やはり「HPVワクチン」が最も適切な呼び方だと考えます。

 

ワクチンの効果

HPVワクチンは、HPVの中でも特定の型のウイルス(HPV16型やHPV18型など)の感染を防ぐことで、HPV感染が原因となる子宮頸癌の前の段階(前癌病変)が発生しないようにするワクチンです。

前癌病変が生じなければ、それに引き続いて起こる子宮頸癌も発生しません。

 

推定によると、欧米ではこのワクチン接種によって子宮頸癌の発生が8割以上減少すると考えられています。

日本では少し事情が異なるので、減少は約7割ほどに留まります。

ただ、日本人を対象にした解析では、若い女性ほどワクチンによる高い子宮頸癌抑制効果が期待できることがわかっています。

 

最後まで読んでいただいてありがとうございます。

次回はワクチンと子宮癌検診との関係などについてまとめます。

Fiat justitia ruat caelum

はじめに

「Fiat justitia ruat caelum」はラテン語のフレーズです。

「たとえ天が崩れ落ちようとも、正義を為せ」という意味です。

正しいと信じていることを進める時に困難な場面に遭遇することもあります。

安易な道で妥協してしまうのか、大切なものを守るのか、悩んでしまう時に背中を押してくれる言葉です。

大学のラテン語の授業で習ったような…

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Vaccinate MIYAZAKI initiativeとは

はじめに

Vaccinate MIYAZAKI initiativeは、ワクチンの普及によって「ワクチンで予防できる病気」が少なくなることを願って個人的に始めたブログです。

 

ワクチンを取り巻く環境がより良くなるように様々な記事を書いて行く予定です。

単純な区別は好きではないですが、自分自身は「ワクチン肯定派」です。

 

ワクチンは公衆衛生を向上させる有効かつ重要な手段だと信じています。

だからこそワクチンとそれを取り巻く環境(ワクチン接種を受ける人、医療従事者、民間企業、報道機関、公的機関)に対しても、適正なあり方を望みます。

 

 

私個人はいかなる組織からもワクチン推進のための利益供与を受けていません。